アダプテーション
Adaptation
映画の作り方か秀逸で、よく練られている。
チャーリーの苦悩は、神経の細かい人間にとっての共通の苦悩でもある。
脚本家としてハリウッド的でありたくないチャーリーは、ストーリーが全くない映画を提案するが・・・
最後は敢えてハリウッド的な展開を持ち込んでみる。
そして自分が今まで卑下していたもの(ありきたりである事)を少しは見直すのである。
それがドナルドへの尊敬であり、一般に語られている愛への礼賛でもある。
一般的で健全であることと、奇抜で洗練されることへの葛藤。
この映画は、映画制作そのものの苦悩を描いたのではないかと思う。
いわゆるハリウッド的映画は、人を小馬鹿にしているようにも見えるが、
変に芸術ぶって、実は中身が伴っていない映画はもっと「悪」のような気がする。
本作終盤の展開は実にハリウッド的であるが(ワニが都合よくラロッシュを襲うシーン、チャーリーがアメリアに告白するシーンなど)、
私としては心が熱くなるのもあの展開なのである。
採点 7.5
再視聴度 A
視聴回数 1